ハンドメイド作家/想いを伝えるブランド作り

ハンドメイドマーケットプレイスで見つけた素敵な作家さんのページからブランド作りのヒントを探っていきます。シリーズの導入はこちらのブログをご覧ください。

minneに出品している作家さん、「mo-fu」さんのページにスマホでお邪魔させていただきました。

◇ ターゲットと同じ目線で作られた作品

カラフルでとっても楽しそうな「mo-fu」さんのギャラリーです。作品は小さな子ども向けのおもちゃ。どれも本物みたいにリアル、それでいてかわいく、ワクワクします。一方で、子ども向けのおもちゃ選びはとても気を使います。親子で楽しめるもの、良い影響を与えてくれるもの、安全な品質であること、といったように、作品を吟味する前にクリアしておきたいポイントがたくさんあります。どれだけ素敵な作品でも心配事が解消しない限り、購入する気持ちにはなれない方もいると思います。ところが、「mo-fu」さんのプロフィールページを読み進んでいくと、心配事が徐々に、そしてしっかりと解消していきます。

プロフィール冒頭に書かれている“子育ての合間に”、この言葉はとても大きいです。作家さんが子育て中のお母さんであることが想像できるだけでなく、子育てを第一に考えていることが読み取れ、そのことが信頼感を生みます。ターゲットの多くはお母さんだと思いますが、自分と同じ目線で作られた作品には安心感が持てると思います。また、品質に関することにもしっかりと触れられています。”お子さまが口に入れても安心な、ボンド不使用がモットー”という部分です。何でも口に入れてしまう小さな子どもの特徴がよくわかっている、子育て中のお母さんならではの視点です。

◇ 想いを伝えるブランド作り

「mo-fu」さんのことがもっと知りたくなり、プロフィールページのリンクから「mo-fu」さんのホームページを拝見させていただきました。

“わが子のためにはじめました”

思った通り！ホームページ内にあるコンセプトのページには「mo-fu」さんの作品への想いだけでなく、子育てをするお母さん、そして子どもたちへの想いが丁寧に綴られています。わが子のために作っている作品なら安心感が高まります。ボンド不使用のことだけでなく、もっと細やかなことにも配慮されていることがわかります。minneのプロフィール欄だけでは語り切れないことをホームページで補完しているのです。

「mo-fu」とは「モウフ（毛布）」のことで、よく見るとロゴは毛布が干してある様子をモチーフにしています。太陽のあたたかさとぬくもりを浴びたもふもふの毛布は、「mo-fu」さんの掲げるコンセプトそのものです。

minneのプロフィールページとホームページ内のコンセプトのページからは、「mo-fu」さんの一貫した想いが伝わってきます。そしてそのことが「mo-fu」さんのブランド力を高めているのです。

◇ 信頼できるブランドだから、できること

「mo-fu」さんのminneのギャラリーでは、手作りマスクが販売されています。子ども向けおもちゃ作品の中に、マスクは少し異質です。これまでの記事で、ブランドにとって世界観を守ることは大切だと、繰り返し伝えてきました。ところがこの場合は例外です。「mo-fu」さんは現在の社会情勢を踏まえ、ご自身の持つ技術で「今できること」をされています。「mo-fu」さんはこれまでの丁寧なブランド作りによって、ブランドが確立していると言えます。だからこそ「mo-fu」さんの作るマスクなら安心して購入できますし、たとえ子ども向けおもちゃ以外の作品を作ったとしても、それがブランドを崩すことにはなりません。むしろ、このように社会情勢に合わせて柔軟に対応する「mo-fu」さんの信頼度は更にアップすることでしょう。

（参考）「ブランドにとっての世界観」に関する記事はこちら　